ウクライナ紛争が本格的になって、1ヶ月が経ちました。
ウクライナに早く日常が戻ることを祈らずにはいられません。
コロナによる世界的な閉鎖状態で国際輸送機能が低下していたところに、この紛争は追い打ちをかけています。
燃料や食品、半導体・・・冷蔵庫や給湯器、エアコンが壊れたらと思うとゾッとします。
そう、そして・・・
ダイヤモンド はどうなるのか
西側諸国は、ロシアへの経済制裁を宣言しました。
ということは、ダイヤモンドも世界中で在庫不足になり、価格が高騰するのでしょうか。
ポイントは2つあります。

まずは、インド。
世界で供給されているダイヤモンドのうち30%がロシア産とされています。
されている、というのは、実際のところ、インド産とされているダイヤモンドにもロシア産が含まれているからです。
ロシアで採掘されたダイヤモンドのうち、ほとんどは原石の状態でインドへ輸出されます。
インドで研磨をされ、みなさんが目にされる「キラキラのダイヤモンド」の状態になり、それらは「インド産」として商品化されていきます。
この「インド産」ダイヤモンドは、世界シェア30%と言われるロシア産ダイヤモンドには含まれていません。
つまり
インドが動かないのであれば、ダイヤモンドの価格は大きくは変わらないでしょう。
そして2つめのポイント・・・

もはや紛争ダイヤモンドといえるロシア産ダイヤモンドについて、ジュエリー業界は、紛争が起きてからダンマリを決め込んでいます。
これまでにも、紛争への制裁のために取引が制限された宝石はあります。
アフリカ・シエラレオネの内戦時に、軍事費になることを避けるためにダイヤモンド取引の制限を謳ったキンバリープロセスは、ブラッド・ダイヤモンドで御存知の方も多いでしょう。
そして、ミャンマー軍事政権への制裁として、アメリカがビルマ・ロウを制定し、翡翠やルビーの輸入禁止措置をとっていることは、ここで何度かお伝えしました。
しかしインドを含め、今のところジュエリーに特化した声明は発せられていません。
そんな中、声を上げたのが、ティファニー社✨です。
Tiffany Suspends Purchases of Russian Diamonds, Joining Brilliant Earth and Signet Jewelers
ティファニー社は「ロシアの鉱山」で採掘されたダイヤモンドを取り扱わないことを表明しました。
原材料の生産地管理を徹底しているティファニーだからこその措置とも言えます。

さて、他社はティファニー社の決定に追随するのか、黙認し続けるのか。
キンバリープロセス、ビルマ・ロウのような規制ができるのか。
目が離せません。
大変興味深い投稿ありがとうございます。
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