カラーダイヤモンドが希少であることは、なんとなくイメージを持てる方が多いと思います。
様々なカラーの中で、希少中の希少なカラーと言えば、レッドです。
ダイヤモンドの鑑定・鑑別では世界で群を抜いているGIAでさえ、1957年から1987年まで30年以上もの間、「レッド」のみのダイヤモンドのレポートは一通も発行されていません。

0.95ctのHancock Red(ハンコック レッド)
0.95ct, Circular Brilliant, Fancy Purplish Red, Clarity I1 by GIA
1987年、GIAがはじめて「レッド」としたダイヤモンドが、クリスティーズに出品されました。
それが、上の画像にあるハンコックレッドです。
0.95カラットのクラリティI1は、通常、大手オークションハウスで扱われることはありません。
しかし、レッドダイヤモンドであれば話は別です。
落札価格は、88万ドル。
1987年当時、最高落札額でした。
もう一度申し上げますが、1カラットにも満たない、I1グレードです。
つまり、88万ドルは、カラー「レッド」への対価なのです。
レッドダイヤが生まれる要因は、はっきりとわかっていません。
GIAの研究では、仮説として「原子構造の欠陥が一部関与してレッドになっている」可能性を指摘しています。
色の要因がはっきりしないため、どのあたりを採掘すれば出会えるのかもはっきりせず、世界中のコレクターがオークションでレッドが出るのを心待ちにしているのです。
この神秘性が、レッドの魅力を増しているのかもしれません。
レッドダイヤモンドの神秘性にも負けない、ハンコックレッドのミステリアスな足跡については、また別の機会に。
オークションについて御興味のある方は、どうぞ私どもに御相談ください。