ビルマ・ロウ、聞いたことがある方はいらっしゃいますか。
アメリカ政府は1997年に制定した「ビルマ制裁規制(Burmese Sanction Regulation)」のことで、通称ビルマ・ロウ Bruma law と呼ばれています。
2003年から、ビルマ産のあらゆる輸入が規制されました。

レオナルド・ディカプリオ主演で製作されたブラッド・ダイヤモンドは、御存知の方も多いですね。
シエラレオーネの紛争の資金調達のため不法に取引されるダイヤモンドをめぐるサスペンスでした。
実際の流通では、キンバリープロセス証明書というものが「原産地証明」とされています。
紛争地帯のダイヤモンドにはこの証明書がつきませんので、キンバリープロセスに則っていないダイヤモンドは、表舞台では取引されません。
ブラッドダイヤモンドと同じ環境が、ルビーと翡翠にもありました。

A record selling price for ruby was set at Christie’s in St. Moritz on 15 February 2009, when an 8.62 carat cushion-shaped ruby realised a price of $425,000 per carat.
This record-breaking gemstone was termed the desired “pigeon’s blood” red used for highly sought rubies from Myanmar. Photo courtesy of Christie’s.
この法律が採決された当時、ビルマは激しい内戦が続いていました。
ブラッド・ダイヤモンド同様、現地で採掘される高品質のルビーや翡翠は、一大資金源でした。
そのため、アメリカやカナダは、この資金源を断つことにしたのです。

あるときから、北米ジュエラーでルビーの取扱量が減ったことに気付かれた方もいらっしゃるかもしれません。
ハイジュエラー、ハリー・ウィンストンでは、法律が制定される前にアメリカに輸入されたという証明書があるルビーに限り、買い付けをしていました。
実際は、店頭にルビーの商品が並ぶことはほとんどありませんでしたが。
北米の人気ジュエラー、ティファニーでは、ビルマ産ルビー原石の買い付けを拒否していました。
下のバードを御覧ください。
左は、目がルビーです。
右は、カラーサファイヤと記載され、おそらくピンクサファイヤでしょう。
シュランバーゼのデザインに使用するルビーのであれば、当然ビルマ産しか考えられません。
それが使えないため、苦肉の策でピンクサファイヤに置き換えたのでしょう。

ビルマの軍事政権が崩壊し、アウンサンスー・チー女史がオバマ大統領と面会するまで、この法律は続きました。
このようなことを知っておくと、還流品を購入する際に役立ちます。
オークションハウスを通せば間違いはありませんが、もしそれ以外のところで素晴らしい商品に出会ってしまったら・・・
迷われたら私どもへ御相談くださいませ。
大変ためになりました。
ありがとうございます。
映画も見たい映画のリストに載せさせていただきました!😅
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こんばんは! 映画、見てみてくださいね~。 キラキラした世界の裏側、うーん と考え込んでしまうシーンもありますが、おススメです!
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今夜、探して見てみるつもりです!
MORISHITA さんの世界ですね!😅
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ちなみに、同じディカプリオの「Catch me if you can」はご覧になられているでしょうか?
私にとっては、知っている映画の中で、one of the best です!
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