高騰している金相場が下がった!という書き込みをSNSで見かけました。
今日は、実際に相場が下げているのか、金相場が下がるのはどんなときか について考えてみます。

上の表は、2020年11月の金相場のグラフです。
11月としては、右肩下がり。
下げているという噂は、間違いではないようです。

2つ目のグラフではどうでしょうか。
2015年7月から2020年11月の金相場です。
(青い線は、海外相場の数字です 過去記事🔗)
5年という期間で見ると、下げているとは言い難い数字です。
金相場は、下がりにくい商品です。
金相場が下がりにくい理由2つを上げて考えてみましょう。
1つは、有事の金 と言われる信用度です。
信用は一日にして成らず、これは長年積み上げられたもので、金の人気に繋がっています。
紙幣は、国の信用度とリンクします。
金は、ひとつの国の信用度に引きずられることはありません。

2つ目は、需要と供給です。
供給が溢れれば値崩れするのは、世の常です。
金は長年採掘され続けていますが、供給過多に陥ったことはありません。
ダイヤモンドのようにコントロールされているわけでもないのに。
金鉱山は、ダイヤモンドよりははるかに世界中に分布しています。
それぞれの国が、国政の事情によって採掘量をそれぞれに決めています。
石油のOPECのように産出量を決めているわけではありません。
それでも金が供給過多にならないのには、21世紀らしい事情があります。
それは「都市鉱山」と呼ばれる事情です。
かつては日本でも、佐渡金山に代表される鉱山がありました。
今は菱刈鉱山が残るのみですが、今や日本は世界有数の「都市鉱山」なのです。
皆さんがお使いの携帯電話、パソコンといった通信機器、電子機器に金は使用されています。
そういった電子廃材に含まれる金の量は、なんと7,000トンに迫る勢いです。(2008年現在)
宝飾品や投資以外に、電子機器という需要が生まれたのです。

金相場は、短期的には為替に左右されることがあります。
ですが、1で申し上げたように、ひとつの国の為替相場に長く引きずられることはありませんので、そこは神経質になる必要はないでしょう。
さて、あなたは、今の金相場を下げとよみますか?
三菱マテリアル貴金属相場🔗