アントワネットのジュエリー

ギロチンに消えた王妃、マリーアントワネット。
彼女は大のジュエリー好きと言われています。
彼女の死後、そのジュエリーはどうなったのでしょうか。

エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン画 1783年

国民の王室への動きが過激になり、身の危険を感じたアントワネットは、大切な宝石の一部を甥でオーストリアを統治しているフランツ2世へ託しました。
そしてアントワネットの唯一の生き形見である、彼女の娘 マリーテレーズが相続しました。
後に、宝石コレクションの一部はマリーテレーズの姪のパルマ公爵夫人が譲り受け、パルマ家で保管されていました。
パルマ家というよりは、ブルボン家と言った方が日本では馴染み深いかもしれません。

パルマブルボン家の紋章

パルマ・ブルボン家からサザビーズへ、ジュエリーを含む数々の品の査定の依頼が入ったのは、2000年のことでした。
保険をかけるために、Appraisalというレターが海外ではよく発行されます。
当初は、この保険のための査定が目的でした。

パルマ・ブルボン家の関係者は、世界各地にお住まいです。
サザビーズの鑑定人たちが世界へ散り、ひとつひとつを確認していきました。

20世紀は、貴族のジュエリーの在庫を管理する職業がありました。
代々だれが所有したどんな宝石なのか、詳細をつけたリストが各貴族や王家にはあったのです。もちろんパルマ家にもリストはあるももの、数日で終わる査定ではありません。
何か月もかけ、世界の関係者を回るうちに、ひとつのコレクションとして紹介してはどうだろうというアイディアが出ました。
それがきっかけとなり、1年以上のカタログ撮影を経て、オークションが実現されました。

Royal Jewels from the Bourbon Parma Family 🔗 / Sotheby’s Official Web Site

2018年、ついにオークションが開催されました。
ジュネーブのオークション会場は、立ち見が出るほど活気付き、世界43の国と地域から入札が続いていました。

アントワネットの髪の毛が埋め込まれたリング等も出品される中、最高価格がついたのは、ロット no. 100の天然パールのペンダントトップでした。
トップについているダイヤモンドは、アントワネット以降につけられたものと考えられています。

WWD Official Web Site

10分におよぶ入札合戦の結果、電話で応札した匿名の民間のコレクターが落札しました。
その価格は、サザビーズの予想価格の2倍、日本円にして約41億円です。

フランス革命やアントワネットの生涯を考えると複雑ですが、このような品をオークションで手に入れると、自分も歴史の一部に参加したような気持ちになります。

オークションに御興味のある方は、私どもに御連絡くださいませ。
どのオークションハウスでもお手伝いさせていただきます。

投稿者: Michie MORISHITA

ジュエリー、主にダイヤモンドの仕事をしてきました。 サプライズプレゼントを成功させるポイント、将来に備えたお買い物のお手伝いが必要なときにはお気軽にお声がけください。 ひとりでジュエリーショップに入りにくい!という方のご相談も承ります。

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