金属アレルギーでお悩みの方は、案外多いものです。
ときおり売り場から、「お客様が金属アレルギーがあるとおっしゃっている。弊社の割金はなんですか。アレルゲンかもしれないから知りたいそうです」という問い合わせが商品部に入ることがあります。

一般的に、純度の高い貴金属であれば アレルギーは出にくい、と言われています。
例えば18金の場合。
指輪やペンダント、イヤリング、時計、どこかにK18 や 18K 又は 750 といった文字が刻印されています。
18金は、金属の75%がゴールドですよ、という意味です。
24金が純金です。24掛ける0.75で18になることから、18金と表します。
つまり、25%は金ではないのです。
この25%を割り金(わりがね)と呼びます。割る金属、の意味ですね。
どんな割り金を使うか、でゴールドの場合はホワイトゴールドになったり、イエローゴールドになったりピンクゴールドになったりと色を変えることが可能です。

3 color goldと言えば、Trinityです
純金や純プラチナでアレルギーが出ることは、滅多にないと言われています。
ほとんどの金属アレルギーの方は、この割り金に含まれる「その他金属」に反応しています。
ブランド側で、この割り金の内容を明かすことは、ほとんどありません。
企業秘密でもあるからです。
お客様に金属アレルギーテストの結果をお持ちいただき、それを商品部や本社が拝見し、「弊社商品にお客様のアレルゲン物質が含まれています」までの回答がほとんどです。
アレルギー物質が含まれている場合、ほとんどのジュエラーでは代替え商品の御提案は出来ません。
他の金属で割っていない純プラチナ、プラチナ1000 と呼ばれる金属を使用している店舗もあるようですが、皆さんの頭にパっと浮かぶ宝石店では取り扱っていないのが現状です。
御自身の結婚式で、指輪の交換のために指輪が必要!と御来店くださるお客様がいらっしゃいます。
前述のとおり多くのジュエラーでは対応できる貴金属の取り扱いがなく、全てのリスクをお話ししたうえで、挙式が終わったら箱に入れて保管してください、とお願いするしかありません。
ブランドにこだわらないのであれば、低アレルギーの商品を扱っている店舗を探すことをお勧めします。

先日取り上げた時計。
以前、どうしてもこのデザインを気に入ったのだが金属アレルギーがある。いくらかかってもいいから純金で作れないか、という御相談を受けたことがありました。
残念ながら、お受けすることが出来ませんでした。
純金、K24は、非常に柔らかく、熱で容易に変形してしまいます。
時計のような精密機器はもちろん、一般的なジュエリーを作るにもなかなか難しい金属です。
なぜ世の中に純金ジュエリーが広まらず、K18やK14という混ぜ物をして純度を下げたジュエリーが広まったかと言えば、それは原価の問題よりも、加工の難易度と品質維持の視点であったと考えます。

純金時計を作れない、とお伝えしたお客様は、最終的に18Kの時計をお求めになりました。
驚いたことに、次のご来店時には、テニス選手がよく着けているリストバンドの上から時計をお使いになっていました。
どうしてもこれが良かったから!と満面の笑みで時計を見せてくださったお客様がどれほどまぶしかったことでしょう。
金属アレルギーの方の御相談も承ります。
各ブランド非公開の割り金についても御相談にのれる場合がございますので、諦める前に私どもへ御相談くださいませ。