ピンクダイヤの鉱山が閉山する、というお話しを月曜日に御紹介しました。
そして、先週 ブランド価格は法外なのか で「手に入りにくくなった宝石も、その看板という信用があるためにギリギリまで仕入れることが出来るのです」とお伝えしました。
アーガイル閉山の話しが出はじめてから、ピンクダイヤの小さいサイズが手に入りにくくなりました。
小さいサイズというのは、中石やメインにはならないけれど、ピンクをたくさん集めたデザインやアクセントとして使用されるサイズです。

当時私が在籍していたハイジュエラーでも、ピンクダイヤモンド(当然アーガイル産)をアクセントにしたデザインは、人気がありました。
売れ筋商品を欠品させるわけにはいきません。
とにかく優先的に日本へ送ってもらえるよう、本国と交渉を重ねていました。
ところがある時期から、ついに入荷が止まりました。
お客様もお待ちですし、今期だけでもなんとか と上司も交えて話していたところ、「もうあのサイズのピンクダイヤが供給できない」と言われたのです。

「このサイズの天然ピンクダイヤが安定的に見つけられない。着色ダイヤも多く、真贋を判別する手間がかかりすぎる」
これには我々もボーゼンとしてしまいました。
ペンダント各種、リング各種、いっせいに廃番となりました。
エンゲージリングとして人気のデザインも多数ありましたので、お客様からは残念だというお声をかなりいただきました。
アーガイルが閉山するというのは、数年前からジワジワと影響が出ていました。
しかしここで、人気のモデルであっても、天然ピンクダイヤと確定診断出来ないものは使わない。
アーガイルほど濃いピンクダイヤであれば、例えば代わりにピンクサファイヤバージョンを作っても(お手頃価格になりますね)お客様に与える外観の印象は変わらなかったかもしれませんが、そこは安直にいかない。
惜しまれつつも、潔く廃番とする。
それがブランドで、看板なのだな と実感した出来事でした。