9月22日(火)は、秋のお彼岸でした。
お墓参りに行かれた方、心の中で御供養された方、様々だったのではないでしょうか。

遺骨ダイヤ、という言葉を聞いたことがある方はいらっしゃいますか。
遺骨を加工し、ダイヤモンドを生成する という御商売です。
結論から申し上げます。
天然ダイヤモンドではありません。
人工生産物という区分になります。
また、「遺骨(又は遺髪)のみでダイヤを作ります!」とうたっているところが散見されますが、それは2020年の科学では不可能です。
分子を結合させるための「糊」の作用をする、骨又は髪以外のものを混ぜています。
実際に、「遺骨100%で」としている某社の動画には、混ぜ物をしているところがしっかり映っています。「接着剤となる薬品を入れ」と音声付で。
そして、「世界的に権威のある鑑定鑑別機関GIAのレポートがつきます!」と大きく書いているウェブサイトも見受けられます。
GIAが発行したグレーディングレポートの画像も公表しています。

こちらのレポートは、一例です。
遺骨ダイヤサービスを提供している某社の公式サイトから切り出しました。
よーーーーーーーく見てください。
赤枠にしたところ、見えますか。
一番上は、「Laboratory Grown」と書いてあります。
二番目は、「man-made」です。
三番目は、「HPHT」です。
Laboratory grown、man-madeともに「人工的に、つまり人の手で作られた」という意味です。
HPHTというのは、High Pressure High Tempratureの略、高温高圧製法という合成ダイヤモンドの精製方法です。
GIAは、提出されたものを鑑定鑑別したまでです。
「これは天然ダイヤではなく、高温高圧製法で人工的に作られた合成ダイヤですね。カラットはこれ、カラー、クラリティはこのクラスですね」というレポートです。
鑑定鑑別機関の国内最大グループであるAGLに加盟している機関では、ダイヤモンドにのみ発行される「鑑定書」は発行されません。
「鑑別書」が発行され、そこには「高温高圧製法の合成ダイヤモンド」と記載されます。
後日コラムにまとめますが、鑑定書と鑑別書は別物です。
鑑定書は、ダイヤモンドに発行され、どのような内容(カラー、クラリティ、カラットといったいわゆる4C)のダイヤモンドか をまとめたレターです。
国内最大手の鑑定鑑別組織、AGLに加盟する団体では「天然ダイヤモンド」にのみ発行されます。
GIAなどの一部鑑定鑑別機関では、遺骨ダイヤのような「合成ダイヤモンド」にもこのレターが発行されていますので御注意ください。
鑑別書は、その石がなんなのか・・・天然ダイヤなのか合成ダイヤなのかサファイヤなのかジルコニアなのか という石の種類のみを記載したものになります。

小難しいことを書きました。
2020年現在、遺骨/遺髪ダイヤモンドが
♦ 骨や髪の純度100%ではないこと
♦ 合成ダイヤモンドとして区別されること
を承知の上で申し込まれるのでしたら、私が何ら口を挟むものではありません。
ホームページを隅々まで確認し、金額も納得の上 御決断ください。
迷われるようでしたらもちろん私どもまで御相談くださいませ。
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