ダイヤモンドは世界一固い!
とはよく聞く話しです。
時折、ダイヤモンドは固いから大丈夫 とガツガツぶつけてみせる方もいらっしゃいます。
たしかに、ダイヤモンドは、モース硬度で10という数字を誇る鉱物です。
そのため、長い間なにを持ってしても磨くことが出来ず、ついには「征服されざるもの」という異名までつけられ、男性のお守りとして身に着けられていた時期も長い宝石です。
いつのころからか、「固い」愛の誓いの印として、日本のエンゲージリング市場を席捲しています。

ダイヤモンドは固い・・・それは、半分正解で半分不正解です。
「モース硬度10っていうのは、一番固いということなのでは?」と思われたあなたは、勉強家ですね。
下の画像を御覧ください。
これは、実際に私が顕微鏡で撮影した「割れてしまったダイヤモンド」です。
もとは、丸い、ラウンドブリリアントカットのダイヤモンドでした。
真っ二つになっています。

ダイヤモンドが割れる、ということを体感いただけましたでしょうか。
宝石で言う「固さ」には、2種類あります。
A. 硬度 Hardness・・・ひっかきキズへの耐性
B. 靭性 Toughness ・・・衝撃への耐性
車で轢いてしまった、ドアに挟んでしまった、といったダイヤモンドジュエリーが修理に持ち込まれることがあります。
ダイヤを留めている貴金属が変形しているのはもちろん、ダイヤモンドは割れて真っ白になっていることがほとんどです。
ダイヤモンドは、たとえばテーブルから落としただけで欠ける場合があります。(詳細は後日)
では、テーブルから落としても割れない固さ B. 靭性 Toughness を持つ宝石は何でしょうか。
答えは、翡翠 Jade です。
微細な細工は破損すると思われますが、ダイヤモンドより toughness としては優れています。

翡翠のエンゲージリングが登場する日も近いかもしれませんね。
「ダイヤモンドは世界一固い?」への1件のフィードバック